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麻は人類最古の繊維

麻の発祥は紀元前8,000年頃といわれており、人類最古の繊維といわれるほど古くから使用されてきました。古代エジプトでは神事や儀式に使用され、ギリシャやローマでは高級素材として扱われていました。

そんな麻が一般的になったのは、12世紀のヨーロッパです。織物産業や技術が発展したことから麻の織物が流行り、庶民にも麻が身近なものになったのです。そして今も尚、衣類や寝具などに使用され、世界中で愛され続けています。

麻とリネンの違いは?

麻は時にリネンと呼ばれることも多いですが、実は「麻」という言葉は植物の繊維の総称です。リネンは、フラックスという植物の繊維から作られており、麻というジャンルの中の一つです。

リネンの他にも、ラミー(苧麻:ちょま)、ジュート(黄麻)、ケナフ(洋麻)、ヘンプ(大麻)など、麻は数多くの種類が存在します。用途も素材の特性により様々に使い分けられています。柔らかく肌触りが上質なリネンやラミーは主に衣類や寝具に、丈夫なジュートはカーペット類、特に耐久性が高いヘンプはロープなどに使用されています。

 

環境にやさしいリネン

リネンはフラックスという亜麻科の植物から作られる天然の植物繊維で、フランス語ではリンネルと呼ばれています。リネンの発祥はユーフラテス川などいわゆる小アジア付近とされていますが、現在の主な産地はフランス北部やベルギーといった比較的寒い地域が中心です。

フラックスの良いところは、生育がとても良く、除草剤や肥料などの力を借りなくとも栽培が可能というところです。そのため、地球環境に優しい植物とも言われています。フラックスを乾燥させ、茎の繊維から取った糸がリネンです。

リネンは、同じ土地に2年続けて栽培ができないため、希少性が高く、独特な光沢と使い込むほど風合いが増すことから古代から珍重されてきた天然素材です。

リネンの種類

 

実はリネンには産地によって様々な種類があります。その中でも特に代表的なものとして、フランス産の「フレンチリネン」やアイルランド産の亜麻を使用した「アイリッシュリネン」があげられます。

 

1、フレンチリネン

フレンチリネンは、リネン生地の中でも最上級のクオリティといわれる生地です。美し水と気候に恵まれたフランス北部で栽培された亜麻が原料になっています。通気性が高く、柔らかな肌触りで、長く着るほど馴染みがよくやや光沢のある風合いが特徴です。主に上質な寝具や衣類に用いられます。スリープテイラーのリネン製品にはフレンチリネンを使用しています。

2、アイリッシュリネン

アイリッシュリネンは、数あるリネン生地のなかで、フレンチリネンと並び最高品質を誇る生地です。アイルランド産の亜麻から栽培された繊維がアメリカで主流になったことからこの名前が付いたといわれています。摩擦に強いという特徴があり、衣料品に加えて、バッグなどにも加工されています。

リネンが愛され続ける7つの理由

1、使えば使うほど肌になじむ柔らかさ

リネンは、シャリ感のある爽やかな肌触りが特徴です。使いはじめはコシのある感触ですが、洗えば洗うほどくったりと柔らかな感触に変化していきます。使えば使うほどに肌に馴染み、自分好みの感触に長く育てていけることがリネンの魅力です。

2、丈夫で長持ち

植物由来のリネンは、繊維がしっかりしていて耐久性が抜群です。また、水に濡れる度に強度が増すという特徴があります。繊維が水分により膨張し密着することで、ウールの4倍、コットンの2倍の強度にもなるといわれています。繰り返しの洗濯でも傷みにくい繊維なので、長く使用することができます。

3、汚れにくい

リネンは、繊維に含まれるペクチンの効果で、汚れが染み込みにくく、汚れを落としやすいという特徴があります。洗濯にも強いので衛生面も安心です。抗菌性が高く清潔感を保つことができます。

4、吸水性が高い

リネンは綿の4倍の吸水性があるといわれている繊維です。熱伝導が速く速乾性に優れているため、汗をかいてもべたつく不快感がありません。夏や湿気の多い季節でも涼感を得られるメリットがあります。

5、年中快適な通気性と保湿性

リネンと言えばまず思い浮かぶのがやはり通気性の良さです。寝汗などの余計な水分をすぐに外に逃がしてくれますので朝まで快適に眠ることができます。それだけではなく、繊維の中に空洞があることで、冬場には体温で温まった空気を含み逃がしません。一般的に夏のイメージが強いリネンですが、実は冬場にも活躍してくれる素材なのです。

6、他の麻に比べて毛羽立ちがしづらい

リネンは含有成分のペクチンが繊維表面を膜で覆い、毛羽立ちにくい特徴があります。表面に独特の光沢をもつ現象も、このペクチンのコーティング効果によるものです。

7、現代の新たな価値感にフィット

近年、人や地球環境に配慮したプロセスで作られた製品を選ぶことや、それらのアイテムでコーディネートし自己表現をすることがひとつの新しい価値観として確立されつつあります。その中でもリネンは身近で親しみやすい天然素材として、ファッションやインテリアコーディネートなどに日常的に取り入れられ、SNSなどでもその新しい価値観の生活スタイルが発信され続けています。自然由来の豊かな風合と高い機能性を持つリネンが再び注目を集めています。

お手入れ方法と注意点

 

リネンのシーツは伸縮性や柔軟性が低いためにシワがつきやすいという特徴がありますが、お洗濯後の濡れた状態で、なるべくシワを伸ばしておく事でシワを減らすことができます。また、リネンは短い繊維を紡いだ糸でできていますので、毛羽が出やすいという特徴があります。他の洗濯物とは分けて洗濯することをお勧めします。

 

・洗濯機での洗い方

リネンは水に濡れるとさらに強度が約60%ほど高くなるため、洗濯機で洗うことができます。シーツを畳んでネットに入れておくことで縮みやシワを極力防ぐことができます。

≫生地の縮みについてはこちらをご確認ください

・中性洗剤をご使用ください

リネンを洗う際は「中性洗剤」をご使用ください。中性洗剤はアルカリ性洗剤に比べて素材にダメージが少なく、色落ちや風合いを保ってくれます。

・水の温度はぬるま湯以下で

洗濯で縮みやすいリネンは、特に水温が高いと縮みやすいため、洗うときとすすぐときは水またはぬるま湯で洗うのがおすすめです。また、洗剤が残ると黄ばみの原因になりますので、洗剤が残らないよう十分にすすいでください。

・シワを防ぐ脱水の方法

リネンにシワがつく一番の原因が「脱水」です。脱水しすぎるとシワの原因につながるため、脱水しないか短時間の脱水に留めてください。リネンはもともと速乾性に優れている素材なので、風通しの良い日陰で干しておくだけでもしっかりと乾きます。

・日陰干し&濡れ干しで色落ちとシワを回避

可能であれば、水がポタポタ滴るくらい濡れたままで干すことをおすすめします。水分の重みでシワが伸びてくれます。また、リネンは太陽の光に弱く、直射日光に当てたまま干してしまうと色褪せをしてしまいますので注意が必要です。※乾燥機の使用は控えてください。

・リネンの風合いを楽しむ

リネンは完全に乾いてしまうとシワが取れにくくなります。アイロンをかけたい場合は乾ききる前にアイロンがけをすることがコツです。シワが強い場合はさらに上から霧吹きで水分を与えて湿らせながら高めの温度設定でアイロンがけをすると効果的です。

とはいえ、リネン特有のナチュラルなシワも天然素材ならではの味わいです。あえてアイロンがけをしない方がリネンの素材感そのものを楽しめるという面もあります。

リネン100%の製品をご紹介

 

スリープテイラーで製造直販をしている、自然素材を生かしたリネン100%のシーツをご紹介させていたただきます。国内自社工場製造直販ならではの高品質で安心安全な日本製カバーリングが、毎日の豊かな眠りをサポートします。

また、リネンシーツの上質な生地を使い、その特性を生かしたエプロンやキッチンクロスなどの製品もラインナップしています。

 

 

 

◎リネン100%のシーツ

麻を自分好みに育てる喜び。フレンチリネン100%の大人気シリーズ「Lino」

洗いざらしフレンチリネン100%。使い始めからくったりとやわらかい「Lina」
薄手で軽やか、スタイリッシュなストライプ柄が印象的な「Rayure」

 

 

◎その他のリネン製品

軽量&速乾、極上リネンのエプロンは新感覚の着心地「with」
超軽量、極上リネンのこだわりルームシューズ「Lino-Lina」
軽量、速乾、動きやすい、リネン100%のステテコ「STETECO」
速乾、リネン100%の多目的キッチンクロス「Lino」